姫取物語
「で? 何やってんの?」

「いや……寝っころがってるだけ……」

「じゃ俺も」

「好きにすれば?」

「言われなくてもそうする」

隣に帝が寝っころがった。

「気持ちいいね」

陽光は肌を優しく包み込み、凪いだ風は髪を弄ぶ。

「ね、眠くなる……」

「かぐや寝てばっかじゃん」

「眠いんだもん……」

「ホラ」

「はへ?」

かぐやは差し出された帝の腕を見てポカーンとした。

「床じゃ固いでしょ?」

「そ……そーだけど……」

またなんかするんじゃ……。

「何もしないよ。約束したじゃん」

「し……しょーがないな……使ってあげる」

でもちょっぴり嬉しかったり……。

「もーちょっと近づきなよ。すごい痛いんだけど。手首に頭乗っけられると」

「ご……ごめん」

俺は帝の二の腕に頭を乗せる。

って顔近いぃぃぃ!!

「かぐやって軽いなぁ……」

「……」

「羽根みたい」

「じゃぁ……ぎゅってして……?」

「……え?」

「さ……寒いから……」

「良いの……?」

「うん」

肩が震えている
ホントに寒いんだ……。
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