姫取物語
「……可愛い……」

帝がいきなりそんなことを言いだしたので、かぐやは帝の手から逃げようと顔を離すことを試みた。

「……あ……」

すると、いとも簡単に顔を離すことができた。
しかし、かぐや姫の顔が手から離れた瞬間帝は寂しそうな表情を見せた。

そして。

「……私と結婚していただけますか?」

男と結婚する気が全くないかぐや姫はいつもどおりにに首を横に振ろうとした。

が……
< 9 / 210 >

この作品をシェア

pagetop