Love story's
あたしがお風呂から上がると、そのまま交代で晴稀が入った。


ふと机の上を見ると、無造作に散らかったままの書類があって…


視界に入ったそれを、何気なく手に取った。


きちんと纏められてるみたいだけど、書いてある内容は難し過ぎて全くわからない。


そんな書類を見て、思わず深いため息が漏れた。


「晴稀は、やっぱりすごいな……」


晴稀は一流企業に勤めていて、小さな会社の派遣の自分(アタシ)なんかとは全然違う。


あたしはそんな自分自身の立場を心底情けなく思いながら、手にしたままの書類をボーッと眺めていた。


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