Love story's
「じゃあ、願い事を書くか」


アレンは、商人に聞いた通りに紙を切ります。


「これは、短冊と言うらしい」


「たんざく?」


「あぁ。ここに願い事と名前を書いて、笹に吊すんだ」


リリーは真剣な表情で頷いて、ペンを持ちました。


「何をお願いしようかしら。願い事がたくさんあり過ぎて、決まらないわ……。あたしって欲張りね」


「全部書けばイイさ」


肩を竦(スク)めて悪戯っぽく笑ったリリーに、アレンが喉の奥でクッと笑いました。


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