Love story's
リリーは散々悩んだ末、欲張りだと叱られるのを覚悟で願い事を書きました。


「何て書いたんだ?」


短冊を吊す彼女の後ろから、アレンが覗き込みます。


「『この国が平和でありますように』。それに、『この国の皆が幸せでありますように』か……。リリーは、いつだって他人(ヒト)の幸せばかりだな」


「あら、それはアレンも同じでしょう?」


アレンが呆れたように微笑むと、リリーはクスリと笑いました。


そして、既に吊されている彼の短冊を見つめました。


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