Love story's
『この国が平和でありますように』


「アレンだって、いつも他人の幸せを願ってばかりでしょう?やっぱりあなたは優しいわ」


クスクスと笑うリリーに、アレンは少しだけ眉を寄せて微笑みます。


「俺としては、こっちの願い事の方が大切だけどね」


彼がそう言いながら吊したもう一つの短冊を見た彼女は、その綺麗な瞳を大きく見開きました。


「『リリーが幸せでありますように』……」


アレンは短冊を読み上げたリリーに優しい笑顔を見せ、彼女の額にそっとキスを落としました。


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