Love story's
「……嫌?」


晴稀は、あたしの顔色を窺(ウカガ)うように訊いた。


「嫌……じゃない……」


当たり前やん……


「そっか♪じゃあ、はい!」


あたしに優しい笑顔を向けた晴稀が、枕の下から一粒のダイヤモンドが着いたリングを取り出した。


はにかんだ笑顔を見せた彼が起き上がったから、あたしも慌てて体を起こす。


「松井羅夢さん!」


「はい……」


「俺と結婚して下さいっ!!」


晴稀は、どこか緊張した表情で言ってからあたしの左手を持ち上げ、あたしの返事も待たずに薬指にそっとリングを着けた。


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