Love story's
「えっ……?虹ちゃん?」


驚きながら虹ちゃんを見ると、彼はニコッと笑って自分の部屋に入った。


「何?」


「……紫が足りないんだけど」


「え?」


目を見開いてキョトンとしたあたしの唇に、虹ちゃんがそっと唇を重ねる。


「こんなに一緒にいるのに?」


クスクスと笑って訊くと、彼が眉を小さく寄せた。


「うん。こんなに一緒にいるのに、今日はあんまりくっ付く暇なかっただろ?」


虹ちゃんは不服そうにため息を漏らし、もう一度キスをした。


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