Love story's
「カラメルの周りがこれくらいまで色付いて来たら、こうやってお鍋を軽く揺すってね」


「うん」


「後は、いつもみたいに牛乳を淹れてゆっくり温めるの」


さっきの鍋に再び火を点けた希咲の母親が、説明をしながら作って見せてくれる。


鍋の中では、カフェオレ色の液体が甘い香りを発していた。


「じゃあ、もう一回やってみよっか?」


まだ数回しか作った事が無い上、カラメルを綺麗に作れた事は一度も無い。


そんな俺に、希咲の母親は根気良くカラメルミルクの作り方を伝授してくれた。


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