Love story's
肩で息をしながら香坂君を見上げると、彼は少しだけバツが悪そうに笑った。


「……いきなりごめん。でも、こうでもせぇへんと、あいつらが煩いやろ?」


あたしを見る香坂君がどこか優しげに微笑むから、あたしからも小さな笑みが漏れた。


穏やかな冬の陽気が、あたし達に降り注ぐ。


「前にもこんな事あったやんな」


「あぁ、そういえば……。パーティーの買い出しの時、めっちゃ叫んでる担任から逃げたな」


フッと笑った香坂君と顔を合わせ、同時にプッと吹き出した。


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