Love story's
あたしはあの時と同じように、香坂君の自転車の後ろに乗せて貰った。


空は快晴。


凛とした冬の空気が、あたし達の背中を押すように流れていく。


くすぐったい雰囲気にドキドキして何も言えずにいると、香坂君が小さな神社の前で自転車を止めた。


不思議に思いながらも、彼に促されて自転車から下りる。


「久しぶりに会えたし、まぁ話したい事は色々あるんやけど、とりあえず……」


急に真剣な表情になった香坂君に小首を傾げると、彼が眉を寄せながらフッと笑った。


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