Love story's
「何や……。会いたいと思ってたんは、俺だけやったんか……」


まるで独り言のようにポツリと呟かれた言葉が、あたしの耳を掠めて風と混じる。


胸の奥がキュンとしたのは、絶対に気のせいなんかじゃない。


甘くて、ドキドキして、胸がキュッとなる。


だけど、そんな感情を上手く表現出来なくて戸惑っていると、香坂君が拗ねたような表情であたしから視線を逸らした。


「あっ、あのっ……!」


その瞬間、あたしは考えるよりも先に口を開いてしまっていた。


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