Love story's
「おはよう」


小さく小さく呟いた言葉に、もちろん返事は無い。


それなのに、あたしにだけはちゃんと返事が聞こえた気がするなんて、どこかおかしいのかもしれないけど…


そんな風に考えたのはほんの一瞬の事で、下腹部に当てていた手をそっと動かした。


自分(アタシ)の体内に新しい命が宿ったなんて、本当はまだ信じられない気持ちの方が強い。


だけど、1ヶ月近く前から悪阻(ツワリ)が始まっていたし…


何よりも、数日前に冬夜に連れられて行った産婦人科で検査をしたら、妊娠が間違いじゃないって事がわかったんだ。


< 260 / 300 >

この作品をシェア

pagetop