Love story's

夕食の支度をしている最中にベランダを見ると、さっきまでは穏やかだった空に暗雲が立ち込めていた。


慌ててベランダに駆け寄って洗濯物を取り込んだ頃、バケツをひっくり返したような雨が降り出した。


ゲリラ豪雨から洗濯物を守れた事にホッとする反面、部屋が急に薄暗くなった事に不安が芽生える。


「トーフ、おいで」


機嫌良くおやつを食べていたトーフを呼んで、一緒にキッチンに行った。


耳に入って来るのは、煩いくらいの雨音…。


冬夜の元を去るキッカケになった日も雨だった事を、意図せずに思い出してしまった――…。