Love story's
あの時――。


あたしはたくさんの後悔を抱いて、自分の過去を憎みながら冬夜の元を去った。


せめてもの償いのつもりで、出来る限りのお金を置いて行ったけど…


彼から受け取った金額は多大で、あたしの貯金なんかではほんの一部にしかならなかった。


しかも、それだって冬夜が『柚葉の為に使えばいいよ』って言いながら、そのまま返してくれた。


だから結局、あたしは彼に少しもお金を返せていない。


冬夜が必死に働いて稼いだお金だったのに、何て酷い事をしてしまったんだろう…。


その後悔は、今も拭えない。


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