Love story's
体を暖める事を優先するように、冬夜はあたしを連れてバスルームに行った。


二人で湯舟に浸かると、彼が後ろからあたしの体を抱きすくめた。


「何かあった?」


その質問に首を小さく横に振ってから、ゆっくりと口を開く。


「何もないけど、ただ謝りたかった……。謝っても許される事じゃないけど……」


背中越しに、冬夜がピクリと反応したのがわかる。


「あの時の事?」


小さく頷くと、彼はため息をついた。


「あの時の事はもう気にするな。今は、柚葉が俺の傍にいてくれる事が全てなんだから」


< 272 / 300 >

この作品をシェア

pagetop