Love story's
「何か、ごめん……」


お風呂から上がって落ち着きを取り戻したあたしは、気まずさを感じながら呟いた。


「ただのマタニティーブルーだろうし、あんまり気にするな。悪阻も治まって来てるし、そのうち気持ちも落ち着くだろ」


冬夜はあたしの下腹部を優しく撫でて、小さく笑った。


「何となくだけどさ、男だと思うんだよな」


「え?」


「早く出て来いよ。俺がいない間、トーフと一緒に母ちゃんを守ってくれ」


冬夜はあたしの体内にいる赤ちゃんに言って、キョトンとしていたあたしに悪戯っぽい笑みを向けた。


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