Love story's

長く感じた冬がやっと終わりを迎え、穏やかな陽気を携えた春がやって来た。


数日前に満開に咲き誇った桜は早くも散り始め、枝が少しずつ寂しくなりつつあるけど…


淡いピンクの花びらが雪のように降る様は、その気持ちすら覆う程に綺麗だ。


そんな柔らかな景色の中、俺は何故か不満げな顔をした女と向き合っていた。


呼び出して来たのは相手の方なのに、一向に口を開いてくれない事に小さな苛立ちが募る。


「……話って何だよ？早くしねぇと昼休み終わるぞ」


ため息混じりに告げると、女は噛み締めていた唇を動かした。