Love story's
「あたし達って、今日で付き合って1ヶ月だよね?染井君は、あたしの事……好き……?」


今にも泣きそうな顔で投げ掛けられた質問に、思わず眉を寄せる。


「何でそんな事訊く訳?」


「……っ!」


あからさまなため息を漏らせば、女は瞳に涙を浮かべた。


しまった……


そう思った時にはもう遅くて、取り繕う暇も無く彼女が泣き出す。


数ヶ月前に見た光景とよく似た状況に、再びため息が零れ落ちた。


そんな俺の様子を窺うようにしていた女は、マスカラを塗りたくった睫毛を濡らしながら口を開いた。


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