Love story's
「……何だよ?」


何か言いたげなため息を零したくせに何も言わない信二に痺れを切らし、俺は突っ伏していた顔を上げた。


「あの子、結構一途だったのに勿体なくねぇ?」


「もう、どうでもいいよ」


すかさず切り返しながらも、一部始終を見ていたかのような信二の口振りに驚く。


「お前の事、健気に想ってたと思うぞ」


「でも、俺は恋愛感情が生まれなかったんだよ」


「だったら、さっさとハッキリ言ってやれば良かっただろ」


信二は言いながら前の席にドカッと座り、眉を寄せて俺を見た。


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