Love story's
「ねぇ、廉」


「どうした?」


ソファーに身を沈めてタバコを片手に雑誌を読んでいた廉に声を掛けると、彼はテーブルの片付けをしているあたしを見た。


「廉って、どうして本名で仕事しないの?」


「急に何だよ?そもそも、今までShikiでやってたのに今更だろ?」


「じゃあ、どうしてShikiって名前にしたの?」


「あぁ、別に……」


「『別に』って……。何か由来があるんじゃないの?」


あたしは気怠そうに答えた廉の隣に座って、彼の顔を見上げた。


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