Love story's
しばらくして奥から出て来た雷は、私服に着替えていた。


手には、ドリンクの入ったグラスを持っている。


「はい、杏里」


テーブルの前に来た雷が、持っていたグラスをあたしの目の前に置いた。


華奢なグラスには、ピンクの花が添えられている。


グラスの中の水色の液体は、店内の薄暗い照明の中でも綺麗に透き通っている事が一目瞭然だった。


「……これ、お酒?」


「おう♪」


グラスを見つめたまま小首を傾げると、雷は頷いてから話を続けた。


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