Love story's
あたしの言葉を止めながら照れ臭そうにしている雷を見て、すぐにわかった。


彼は今日、わざと休みを取らなかったんだって…。


雷を見ると、彼はあたしの気持ちを察するように優しく微笑みながら、そっとグラスを差し出した。


あたしは、黙ったままそれを受け取った。


一呼吸置いてから、ゆっくりとグラスに口を付ける。


その途端、甘い花の香りが鼻腔をくすぐるように広がった。


少しだけ緊張しながらカクテルを一口飲んだ後、隣に座っている雷を見ながら口を開いた。


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