Love story's
「ANRI(アンリ)……」


メニュー表を読んだあたしは、目を見開きながら雷を見た。


すると、彼が照れ臭そうに笑った。


「このカクテルの名前や」


その言葉を聞いた瞬間、あたしの瞳に涙が浮かんだ。


【ANRI】


メニュー表に書かれたカクテルの名前は、あたしの名前。


『好き』って言われるよりも、何倍も愛を感じた。


「雷……。ありがとぉ……」


瞳に涙を浮かべたまま微笑んで見せると、雷が顔を真っ赤にした。


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