Love story's
上杉先生の事を『良平』って呼べたのはまだ数えられる程で、無意識だとつい癖で『先生』って呼んでしまう。


呼び捨てにするのが照れ臭いのはもちろん、先生はどうしても“先生”のイメージが抜けなくて、中々呼べないんだ。


再会出来て1年経った今も呼び慣れないあたしに、上杉先生は不満を抱いているみたいだけど…


それでも急かさずにいてくれる先生は、やっぱりすごく優しい。


「……おい。七星、聞いてるか?」


そんな事を考えていると、上杉先生があたしの頬を軽く抓(ツネ)った。


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