Love story's
「ふぁい?」


抓られたままの頬のせいで、マヌケな声が出た。


「だから、もう何の授業取るか決めたのか、って訊いたんだよ。もうすぐ大学始まるだろ?」


「あ、うん」


「で、履修科目は決めた?」


再度訊いた上杉先生が、あたしに笑顔を向けた。


自分から切り出すつもりだった事を先に訊かれたから、まだ心の準備が出来ていなくて視線を泳がせてしまう。


「えっと……」


「まだ決めてないのか?」


すると、上杉先生が心配そうな顔をした。


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