※ご主人様は完璧王子?※
王子様は床に倒れているそいつに見向きもせず、くるりとあたしの方に振り返るとゆっくりと近づいてきた。
顔色をうかがおうとしても、こんな体勢からちょっと俯き加減の人の顔なんか見えるはずも無く、あたしはただただ涙がたまっている目で王子様のサラサラの髪の毛を見ていた。
王子様はあたしの手を拘束している手錠の鍵穴に、ポケットから取り出したピンを突っ込むと鍵を瞬く間に開けた。
自由になった手を使ってとりあえずベッドに腰掛ける。
するといきなり後ろからふわっと抱き締められた。
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