※ご主人様は完璧王子?※



「……もし、な。
もし、その推理が当たってたとする。


そしたらそれを命令したのは………誰だ?」



あたしは、はっと目を見開き口をつぐんだ。

龍ヶ峰が負けて利益がある人……
それは……あたしが想像する中では1人しかいないからだ。



「俺は………俺は、白山が嫌いだ。
俺からお前を引き離したし、俺の本性まで見破ったし、すっげぇムカつくし……



でも……でもな、あいつがそんなことするやつにはなぜか信じらんねぇんだ。
あいつがお前を俺から取ろうとした時のあの目を偽物だとは信じらんねぇ………」



そう言って龍ヶ峰は頭をぐしゃっと掻き乱した。




その時、あたしの後ろ側にあるドアから声がしたんだ。
凛として、真っすぐな声が。




「………じゃぁ、黒幕でもいるんじゃねぇの?」




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