詩的短文
十六夜の月
この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる事の 無きと思へば
「道長の句ね」
「うん、道長は藤原氏の栄華を満月に例えたんだよね。だけど十五夜に対して、十六夜という言葉があるのはどうしてだと思う?」
「どうして?」
「満月よりも、ほんの僅か欠けた月も美しいんだ。微妙に欠けている。欠点のない人間がいないように、ほんのりと欠けた月に自分を写した方がリアルだよね。ここに日本人の『もののあわれ』を感じるんだ」
「さしずめアナタは半月かしら…」
「おいおい」
「道長の句ね」
「うん、道長は藤原氏の栄華を満月に例えたんだよね。だけど十五夜に対して、十六夜という言葉があるのはどうしてだと思う?」
「どうして?」
「満月よりも、ほんの僅か欠けた月も美しいんだ。微妙に欠けている。欠点のない人間がいないように、ほんのりと欠けた月に自分を写した方がリアルだよね。ここに日本人の『もののあわれ』を感じるんだ」
「さしずめアナタは半月かしら…」
「おいおい」