ひとひらの願い―幕末動乱―
第3章 生死の狭間
「防具、つけますか?」

「いえ、いいです」


私と沖田さんは、防具なしで竹刀を獲物に採用試験を兼ねた試合を始めることになった。


「ではこうしよう。総司から一本……まぁそれだけでも奇跡だとは思う。…もしとれれば、君を隊士として採用しよう」

「……はい」


近藤さんは私を見下しているのかは分からないけど、そう言った。

そして私達は構える。
殺気を表にだして。


「「……」」


沖田さんからも面とか打ってこないし、私からも下手に手を出すとどうなるか分からない…

だから私は、ただ彼からのものすごい衝撃のある竹刀の波を受け止めるだけ……


ザワザワ---…


外が騒がしくなってきた。
きっと沖田さんが女と手合わせしてるということを耳にした隊士達が見に来たのだろう。

そんな中から、こんな声が聞こえてきた。


『おい、すげぇよ! あの沖田さんと互角に戦っていやがる! 相当の腕の立つ女だな、あいつ……!』


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