ひとひらの願い―幕末動乱―
「私は藤堂 平助。よろしくお願いしますね、高蔵さん!」

「永倉 新八だ。よろしく」


沖田さんのような口調で喋る藤堂さん。
かなり固めな感じの永倉さん。

……この人達、みんな"先生"とかって呼ばなきゃいけないの-…?

いろいろと疲れそうな気がする―――…けど。


「よろしくお願いします!! 先生方!」


私は深々とお辞儀をした。

元気良く、でもそれは表だけ。中身は正直、かなり不安だった。


「だが高蔵。今日からお前は俺の小姓だ。…忙しくなると思っとけよ?」

「そうですよ、織さん!」

「へ? 何がですか…?」


何を言ってるんだろ?この人達…
これから何かあるのかな…?


「…って、もしかして土方さん。あのことまだ話してないんですね!?」

「当たり前だろ! お前らが来ちまったんだから…」


土方さんは、呆れて頭を左手で掻く。

私は全然検討もつかず、ただ口をぽかんと開けていた。


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