ひとひらの願い―幕末動乱―
この世界に絶望した私は、今日のこの願いが叶わなければ、今日中にやらなくてはいけないことができる。



屋上から飛び降り、自殺する---…



何故か、そういうことを思いついてしまっていた。

どちらにしろ、生きることはないんだ。

だから今日は、明るく過ごすって決めた。


そうしないと、私は未練残さず死んでいけない……


今の時代は、生きていられる価値さえない。

私はある時そう思ってから、今日のことを聞いて、賭けをしてみることにした。


「―織! あと10秒だよ!」

「あっ、うん…!」


もちろん、その賭けに負けることは承知の上で。

この瞬間で、私の運命は決まる。


刻一刻と迫るその時……

そして私は心の中で、深く願った。

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