ひとひらの願い―幕末動乱―
どこかで聞いたことのある、その名前。

何だっけ? その人---…

今で言う『未来』で得た知識の中を、私は探した。


――見つけた…大変だ…!!


御所は燃やされ、天皇やその周りの誰かを、自分の国へと連れ去ろうとした人達の中の一人……!!


「ひ…いや、副長。危ないですッ…! 御所が燃やされます…ッ!!」


思い切って言ってしまった…

私の記憶が確かなら、そいつは、攘夷派の志士の一人―――…
長州間者の大元締で、武器調達などをしていたはず……!!


「何だと!? …お前、もしや長州の間者か!?」


―ですよねぇ……
私、絶対的に怪しまれますよね!?

まだ何も古高は喋ってないのに…


「違いますよ!! アレですよ、アレ!! 単なる勘です!!」


実際、これは勘なんかではないんだよね。残念ながら…


「山崎。奴を逆さ吊りにしろと、そこにいる隊士に言ってくれ」

『―はっ』

「ギャァァアッ!! 何ですかこの人ぉぉお!?」


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