ひとひらの願い―幕末動乱―
――沖田さんの笑顔が、もう見られなくなるかもしれない――
そう思うと、今度は胸が痛んだ。
私は知っているから。
これから沖田さんがどうなるかってことを。
あぁ……そうか。
私はこのことを恐れていたんだ―-…
「まったく! どうなっていやがる!」
やっと自分の気持ちが分かった時、副長は怒りに満ちた声を発した。
それは、静かなここに響く。
「何で会津藩が来ねぇんだよ! なぁ近藤さん、待ってないでもう出よう!!」
何かを待っているように見えたのは、こういうことか…
「そう慌てるんじゃないよ、トシ。所司代や奉行所にも要請してくださっているんだ。時間がかかるのも仕方ないことだよ」
「近藤さん、あのなぁ…!」
こんな時に何で喧嘩口調なのかなぁ、副長は……
それに、みんな口挟もうともしないみたいだし。
…私が言うしかない。
「局長。私は副長の方に賛同します」
「高蔵くん!?」
そう思うと、今度は胸が痛んだ。
私は知っているから。
これから沖田さんがどうなるかってことを。
あぁ……そうか。
私はこのことを恐れていたんだ―-…
「まったく! どうなっていやがる!」
やっと自分の気持ちが分かった時、副長は怒りに満ちた声を発した。
それは、静かなここに響く。
「何で会津藩が来ねぇんだよ! なぁ近藤さん、待ってないでもう出よう!!」
何かを待っているように見えたのは、こういうことか…
「そう慌てるんじゃないよ、トシ。所司代や奉行所にも要請してくださっているんだ。時間がかかるのも仕方ないことだよ」
「近藤さん、あのなぁ…!」
こんな時に何で喧嘩口調なのかなぁ、副長は……
それに、みんな口挟もうともしないみたいだし。
…私が言うしかない。
「局長。私は副長の方に賛同します」
「高蔵くん!?」