ひとひらの願い―幕末動乱―
今まで別れの言葉だと当たり前のように思っていた。
でも、彼は違うと言う。
例えるなら、"春は別れの季節でもあり、出会いの季節でもある――…"というような。
"さようなら"は、そういう意味なんだ。
「そや。俺達はいずれまた、どこかで会うってな」
そう言うと、山崎さんは私に背を向けた。
私が当たり前のように思っていた方の意味が、頭をよぎる。
「…だから、"さよなら"や」
違う方の意味なのだろうけれど、私には聞こえた。
"もうあんたとは、会えない気がするんや"
その言葉を思い出したら、"さようなら"はさようならのままな気がした。
「山崎さんっ!! 待っ…」
だから引き止めたいんだ。
…でも、ここで引き止めちゃ駄目だよ……
何の意味があるの……?
何をする気なの……?
―私は何がしたいの――…?
何をしようとも……
引き止めなきゃ駄目だ……!
「山ざ……あれ!?」
呼び止めようとして、『山崎さん』と言おうとした。…あれ?
でも、彼は違うと言う。
例えるなら、"春は別れの季節でもあり、出会いの季節でもある――…"というような。
"さようなら"は、そういう意味なんだ。
「そや。俺達はいずれまた、どこかで会うってな」
そう言うと、山崎さんは私に背を向けた。
私が当たり前のように思っていた方の意味が、頭をよぎる。
「…だから、"さよなら"や」
違う方の意味なのだろうけれど、私には聞こえた。
"もうあんたとは、会えない気がするんや"
その言葉を思い出したら、"さようなら"はさようならのままな気がした。
「山崎さんっ!! 待っ…」
だから引き止めたいんだ。
…でも、ここで引き止めちゃ駄目だよ……
何の意味があるの……?
何をする気なの……?
―私は何がしたいの――…?
何をしようとも……
引き止めなきゃ駄目だ……!
「山ざ……あれ!?」
呼び止めようとして、『山崎さん』と言おうとした。…あれ?