ひとひらの願い―幕末動乱―
この人が本気になったら…どうなるんだろう-…


鬼……みたいになるのかな…?


「ほら! 入ってください!」

「え…では失礼します…」


私は言われるがままに、その大きな屋敷に案内され、ある部屋に通された。


この屋敷……

沖田さんは"屯所"とか言ってたっけ。

この部屋は…客間?


「はい、お茶です。どうぞ」

「ありがとうございます…」


お茶を軽く一口、すする。

そこで一つ、急に思い出したことがあった。


私、どんな格好してたっけ…?


ここまで何の疑いもなく通された…

でも、願った時のままなら制服のはずだけど…


ふと下を向いて、服を触ってみる。すると…



あれ、これって---…


着物!?

…私、袴履いてるしッ!!


女なんですけれどもッ!!

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