ひとひらの願い―幕末動乱―
ちょうど、局長達が池田屋を見つけた時間――!!



「副長、こんな所で話をしてる場合じゃないです!! 池田屋に向かいましょう!!」

「池田屋? ならもうすぐだ。そんなに慌てることか?」

「そうです! 局長達がそこにいるはずですから!!」


あっちはたった10人しかいない……

だから、ここで急いで行かないと、みんな大変なことになっちゃうんだ……!!


「じゃ、お前ら! 走ってくぞ!!」

「「オー!!」」


みんな、一斉に駆け出す。
私は副長の隣を走る。

バタバタとたくさん足音がする。
でもそれは、闇に紛れて消えていく。

静かに迫る闇とは、正にこのことなのだろうな。



暫く走っていくと、刀がぶつかる音、金属音のようなものが聞こえ始めた。


やっぱり局長達がもう池田屋を見つけたんだ……!


「副長、この先ですね。今加勢すれば間に合いますよ」

「あぁ。そうだな」


副長に話しかけるけれど、いつもと違う目つきをしていた。

あの時と同じような、真剣に何かを見つめる瞳だった。


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