ひとひらの願い―幕末動乱―
返り血が袴や羽織にかかり、また気持ち悪くなりそうになった。
「うぇっ……」
これを自分一人でやったんだと、改めて理解すると、やっぱり自分が怖くなる。
思わず呟いてしまうけれど、先を急いでいた私は廊下を足早に進む。
そこはもう、数人の長州の志士達の死体と血だけしかなかった。
新選組は、誰もいない。
沖田さんもこの中には、いない……
そう確認すると、少し安心できた。
でもまだ、油断はできない。
いつ後ろから襲ってくるとも分からないのだから…
「みんな無事、かな……」
―ゴホッ
そう小さく呟いた瞬間、微かだけど咳をした人がいた。
あまりにも小さすぎて、どの方向から、どの部屋から聞こえているのかも分からない。
私は立ち止まって、もう一度聞こえないか、耳をすます。
今立ち止まっている所から見える部屋は、二部屋。
斜め左と、正面の奥。
どちらも襖は開いているけど、蝋燭の灯もなく、暗くてよく見えない。
「うぇっ……」
これを自分一人でやったんだと、改めて理解すると、やっぱり自分が怖くなる。
思わず呟いてしまうけれど、先を急いでいた私は廊下を足早に進む。
そこはもう、数人の長州の志士達の死体と血だけしかなかった。
新選組は、誰もいない。
沖田さんもこの中には、いない……
そう確認すると、少し安心できた。
でもまだ、油断はできない。
いつ後ろから襲ってくるとも分からないのだから…
「みんな無事、かな……」
―ゴホッ
そう小さく呟いた瞬間、微かだけど咳をした人がいた。
あまりにも小さすぎて、どの方向から、どの部屋から聞こえているのかも分からない。
私は立ち止まって、もう一度聞こえないか、耳をすます。
今立ち止まっている所から見える部屋は、二部屋。
斜め左と、正面の奥。
どちらも襖は開いているけど、蝋燭の灯もなく、暗くてよく見えない。