ひとひらの願い―幕末動乱―
あ、もしかして、自分一人で私を捕まえられる自信ない?


…あ、そうなの?

へぇ……意外。


――いやいや。

そんなこと考えてる場合じゃないって!!

仮にも睨まれてるんだって!!


名乗りますからぁ……


「私…私は、高蔵 織です」


名乗ったのに何ですか!?
まだ睨みますか!?

いや、違う。


上から下まで舐めるようにして見てくる。


「お前……女だよな?」

「お、女ですけど…」


やっぱり目がいい。
私を女だと気づくとはね。

…そういや、沖田さんは気づいてる?


「すいません、遅くなりました! 近藤さん、なかなか見つからなくて……あ、土方さん」


ちょうどいいのか分からないけど、そこに沖田さんと彼に連れられてやってきた近藤さんが来た。

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