ひとひらの願い―幕末動乱―
私の言葉に、驚く沖田さんは、半信半疑でそう問う。

でも本当のこと。
ただ頷くことしかできなかった。


「…でもね、沖田さん…副長。武士道を心に残している…そんな人は、ちゃんといますよ…」


武士道は消えない。
未来でも、ずっと未来でも、それは在り続けている。

いっそ、本当のことを話してしまおう。
遺言、みたいになってしまうかもしれないから……


「私も……その一人、ですから……」

「て……どういうことです…?」

「そしたらお前……」


二人共、驚いた顔をした。

もう私の怪我なんて、気にしていないみたいだった。

私も、もう痛み以外は気にしないことにした。


「私……未来から、来たんです……」


そう、思いきって言った。

別に信じてもらえなくてもいい。


ただ、これが最後だと思ったから。


思った通り、私のことを目を丸くして見ていた。


「本当…か? それ……ありえねぇけど……」

「信じられませんよ…?」

「信じてくれなくても…いいです……これがきっと…最後の時間です、から……」


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