悠久の貴女へ
蝉時雨の中で
蝉時雨の中、私は光縁寺にある彼女の墓に向かっていた。
私は沖田 総司。
護りたい人も、護りたかった人もいる。
今日は、あの日護れなかった、大切な仲間の元に。
山門をくぐり、足早に彼女の元へと急ぐ。
ある墓の前で止まり、屈みこむ。
「―織さん……」
高蔵 織(たかくら しき)。
池田屋の二階で、彼女は刺され、死亡。
…表向きはそうなっている。
実際は違うんだ。
でもそれは、あの時あの場にいた私と土方さんしか知らない。
信じられない光景だったのだから――――…
私は沖田 総司。
護りたい人も、護りたかった人もいる。
今日は、あの日護れなかった、大切な仲間の元に。
山門をくぐり、足早に彼女の元へと急ぐ。
ある墓の前で止まり、屈みこむ。
「―織さん……」
高蔵 織(たかくら しき)。
池田屋の二階で、彼女は刺され、死亡。
…表向きはそうなっている。
実際は違うんだ。
でもそれは、あの時あの場にいた私と土方さんしか知らない。
信じられない光景だったのだから――――…
< 1 / 47 >