悠久の貴女へ
「土方さん! 来てくれたんですね!」


「お前が頼んだんだろ。ほぼ毎日来てるんだよ」



土方さんが、私を心配したのか、来てくれた。

そういうことするなんて、やっぱり土方さんらしい。


ん?

もしかして今日はまだ土方さん来てなかった?



「あれ? 土方さん、もう来たんじゃなかったんですか?」


「は? 今日はこれが初めてだ。どうかしたか?」


「え…じゃあ、あの花は一体誰が……」



前に来た時も、似たような綺麗な花が供えられていた。

しかもそれは土方さんが持ってきたわけじゃない…?


だとしたらそれをするのは一人しか……

いや、でも有り得ないですよねぇ…?



「山崎だろう。ほぼ毎日花を置いていくのは」


「ははっ! あの山崎さんがですか!? そんなことするように見えませんけど!」


「山崎はいい奴だぞ。高蔵には優しかったんじゃねぇのか?」



よく考えなくても、あの山崎さんがそんなことするわけが……

想像しただけで、こんなにも笑えてくるのに!



「でもまさか……」


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