悠久の貴女へ
言えない理由
3月10日、新選組の屯所は、六条にある西本願寺の北集会所と太鼓楼、他二棟に移された。


西本願寺の門主は、長州贔屓の勤皇家らしい。

土方さんは、それを知っていて、わざとここに屯所を移した。


見張り…いや、見せつけるため、かな……



「総司っ! 局長が呼んでるよ」


「あ~…はい、今行きます」



平助に声をかけられ、私は畳に寝転んでいた体を起こし、すぐに近藤さんの部屋に行った。

一体、何の話なんだろう…?



「…総司です」



ある部屋の前で止まり、中に声をかける。



「あぁ、入ってくれ」



すぐに近藤さんの声が聞こえた。

でも……気配が、もう一つある。誰だろう?



「近藤さん! 何ですか? …って、土方さんまで!?」


「あぁ、悪いか」


「いえ、別に……」



気配を二つ感じたのは、近藤さんの右隣に土方さんが座っていたためだった。


土方さんまでいるということは……何か重要なことでも?


とりあえず座って、状況を把握しようとした。

でも、私の頭では無理……!



「総司、もう24になるだろ」


「はい、そうですが…?」

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