悠久の貴女へ
"自分がいつ死ぬか、分からないから。だから娶ることはできない。"


土方さんなら、このくらいは考えるだろう。


ならば、私だって同じだ。

己の命は、近藤さんのためにある。


私だって、いつ死ぬかなんて、分からない身なのだから。



「相手って…決まっているんですか?」



気持ちとは裏腹に、口先ではそう言う。



「いや、別に決まってはいないんだがね」


「そろそろ考えたらどうだっていう話だ」



そろそろ、か……

娶らなくてはいけないのかな。

私はその気じゃないのに。


―私はもう、そんなに長く生きられないのに。


それは近藤さんも土方さんも承知のはずなのに。



「でも、私は病が……」


「…分かってるよ。だからこういう話を切り出したんだ」


「……」



近藤さんにそう言われ、返す言葉が見つからなかった。


病以外に、私はもう一つ理由がある。

でも、話せるものではないんだ。

どうせ叶うこともないのだし。



「分かりました。考えてみます……」


「あぁ、返事はいつでもいい。よく考えてくれ」



仕方なく、考えてみることにした。


娶る話と、叶わない話について。

後者を話そうかどうか、とか……

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