悠久の貴女へ
「近藤さ~ん、土方さ~ん! 例のことで返事をしに来ました!」


「早いじゃねぇか!? ちゃんと考えたのかよ!」


「はい、ちゃんと!」



近藤さんは厠に行っているようで、土方さんだけが局長室にいた。


ちゃんと考えたと言うか、自問自答して終わってしまったような気がする。

それでよかったのだから、ここに来たんだ。



「で、どういう返事しにきたんだ」



土方さんが胡座をかいて、そう問うてきた。

私は得意満面に、返事を返した。



「私は一生、娶りません!」


「はぁ!? せっかく持ちかけた話を振りやがるのか!?」


「はい! 私はおなごになど興味がないものですから! それに……」


「それに?」



予想通り土方さんは私を見て呆れていた。

勿体無い話だとも、後悔するかもしれないとも、思っていない。


だから、私は普段は言えないことを打ち明けることにした。



「それに、私は想っている人がいるんです」


「いたなら早く言えやいいものを! 誰なんだ、そいつは?」


「いや、それが……」



私に不思議な気持ちを残していった人。

初めての感情を与えてくれた人。


私は貴女に惚れていたことに気づくのが、遅かった。

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