悠久の貴女へ
御陵衛士の誰にも彼の考えを悟ること難く、仲間だと思い易い。


それで御陵衛士との間者と土方さんはしたのだろう。



「ですね。斎藤さんなら安心です」


「ま、暫くは様子見だな」


「尻尾を出した伊東さんが、さらに尻尾を伸ばすまで、ね」


「あぁ」



静かに呟くと、土方さんはまた真剣な顔に戻った。


すると土方さんはいきなり天井を見つめ、口を開いた。

同時に私も同じように天井を見る。



「山崎。今の聞いてたな」


「……は」


「随時、報告を頼む」


「承知しました」



あぁ……山崎さんが天井裏に居たのか、と納得して視線を土方さんに戻す。


土方さんは、にやりと笑って、私を見ていた。



「な…何ですか、その不気味な笑みは……」


「さぞやこれから楽しくなる、と伊東が思ってやがるような気がしてな。
俺は楽しくなるなんざ、微塵も思っちゃいねぇが」


「だからって……もう少しましな笑い方できないんで……!
ゴホッ…コホ……」



言葉を遮るかのように、労咳からくる咳が、私を襲った。



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