悠久の貴女へ
山崎さんは隠すのがうまい……これが私と違ったところ。



「今…心、読みました…?」


「何や、読まれたくないことでも思っとったんか」


「いや…まぁっ…別に……」


「分かりやすいわ、沖田さんは」



にっと、得意気に笑う山崎さん。

私はこの笑みが大嫌いで……



「そんなこと思ってたんやな、沖田さん」


「そ…そんなことないですっ!
てか、話ずれてきてますよ!」


「どないな話してたんか、忘れてしもたわ」


「もうっ! 山崎さんっ!」



最近はこうして、山崎さんと楽しんでいる。

何故なら、池田屋以降、私につきっきりで看病してくれているから。


私の命も、そう長くはないのでしょう……



「ゴホッ……コホッ」



こういう咳が、そう思わせるんだ。


山崎さんは私の病気、知ってるのかな…



「ほら、屯所に戻らへんと」


「いえ…まだお線香もあげてないので…」


「そしたらすぐ帰るんやで。俺は先に戻ってる」


「分かりました……」



山崎さんは何か報告があるのか、屯所に戻った。


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