悠久の貴女へ
もう危ないとも聞いたけれど……山崎さんには生きていてもらいたい。


織さんの代わりに、もっと生きていてもらいたいんだ。



「…ちょっとお見舞い、行ってきますね」


「あぁ、分かった」



近藤さんに一言告げてから、甲板を後にした。


山崎さんのいる部屋は、甲板を降りてから少しの所にある。

階段を何段か降りてから、扉を開く。



「…何や。沖田さんか」



いつもの口調でそう言う山崎さんが、布団に寝ていた。


扉を閉め、側にあった椅子に座り、暫く彼を見つめた。



「大丈夫ですか?」


「大丈夫やって…言ってもらいたいんと違うか?」


「また心読みましたね…?」


「読めるんやないて、言っとるやろ」



少し苦しそうに、それでもいつも通りでいることに、ほっとした。


無理して笑顔を見せているような気がする。


でもそれは、自分と同じなんだと思った。



「無理せんでええって、言いたいんか」


「そんなこと思って……なくはないですけど…」


「…せやな」



山崎さんは言葉を濁して、俯いた。



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