悠久の貴女へ
「すいません……まさか山崎さんの口からそんな言葉が出るとは思っていなかったので……」


「本音なんかとうに捨ててたんにな。弱ったもんやな……」



起こしていた体を、ばたっと布団に寝ころばさせた。

きっともう起きているのが疲れたんだろう。



「このまま死んでも……
許してくれへんか……?」


「……!」



本当に消え入りそうな、山崎さんらしくない声色で、私にそう言った。

彼は目を瞑っていた。


私はまた何も言えなくなってしまった。



「こう見えてもな、もう…疲れたんや。忍として雇ってもらって…ほんまにいい人生が送れたわ……」



よく見れば、瞑っていた目の端から涙が漏れていた。


それが、もう山崎さんは逝ってしまうんだと感じさせて、私も泣き出してしまいそうになった。



「織さんに……よろしくお願いしますよ」


「あぁ……沖田さんのこと、待ってる」


「山崎さん…本当に――…」



貴方はもう死んでしまうんですか……?


そうして私を置いて、みんな去っていってしまうんだ。

私を独りにして。



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