悠久の貴女へ
「織さんにも山崎さんにも、たくさんのことを学ばせてもらいましたよ……」



自分の命の儚さにも、池田屋の夜に気づかせてくれたような気がする。

他にも多くのことを、京で過ごした約6年間で学んだ。


あと何年か……

私が生きられる限られた時の中で、絶対に貴方達のことは忘れない。


貴方達にも、覚えていてもらいたいな――…




あなたは……織さんは、山崎さんは、覚えていますか?


私達が出会った日のこと。

あの動乱の中の日を駆け抜けたこと。

共に楽しく過ごせたこと。


鬼のような目をして、私を護ってくれた織さん。

いつも無表情で、だけどちゃんと感情がある山崎さん。



お二人には、とてもお世話になってしまいましたね。


感謝していますよ――――…



だから忘れないでください。


そしてどうか、二人仲良く、そちらの世で存分に楽しんでいてくださいね。



私はこれからは、平和を祈ります。


早く戦争が終わって、人々が安心して暮らせる世の中を。



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